【第4回】汎用高機能GISの可能性について
- K-robot 広報担当
- 1 時間前
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「高機能」と聞くと、なんとなく頼もしい。けれど、実際に使うとなると「で、どう使うの?」と立ち止まってしまう。これは、私たちK-robotが開発している“汎用高機能GIS”にもしばしば向けられる問いです。
私たちはこれまで、ツール・ド・九州という大規模イベントの現場を通して、このGISを育ててきました。警備や交通規制、観客の動線、安全確保など、さまざまな場面で地図情報がリアルタイムに更新・共有され、関係者の判断を支えてきました。
ただ、この「なんでもできるGIS」がゆえに、「結局、何に使うの?」という悩みもあります。そう、自由度が高すぎると、かえって戸惑いが生まれてしまうのです。
でも今、その風向きが変わりつつあります。近年、多くの都道府県で「データ連携基盤」の整備が進み、行政データやオープンデータを横断的につなぐ環境が整いつつあります。
たとえばAEDの設置場所。これ単体では「どこにあるか」しか分かりません。でも、そこに24時間診療が可能な医療機関、道路の混雑状況を重ね合わせることで、「救急医療が届きづらいエリア」が浮かび上がってきます。
しかも、これらの情報はリアルタイムにアップデートできる。「いまここで何が起きているか」を、地図を通じて関係者で共有できるのです。
こうした地図ベースの可視化は、良質な意思決定に不可欠な土台です。さらに、「なぜこう判断したか」のプロセスが残るため、説明責任(アカウンタビリティ)やEBPM(Evidence-Based Policy Making=証拠に基づく政策立案)にもつながっていきます。
例えばツール・ド・九州の現場では①関係者が地図情報システムを用いて情報を共有している、そして②情報がリアルタイムに更新されている、ことが運営の安全対策の証左に寄与し、行政との調整を円滑にした、という実績があります。
“情報を地図に編み込む”というアプローチ。これは、単に見える化するだけでなく、「構造として社会を捉えなおす」手段でもあると私たちは考えています。
少しずつですが、「汎用GIS」という道具が、社会にとって必要なしくみとして評価され始めています。それを静かに、しかし確かに前に進めるのが、私たちK-robotの役割です。
次回はこの「多機能汎用GIS」を弊社がどのように社会に届けていくか、というテーマでお届けします(次回はちょうちん記事です、まってました!)
すべてが機能するように。Re:design/Transform to make it all work.
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