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【第2回】ロボットコントロールシステムから農福連携を考える

  • K-robot 広報担当
  • 6月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月24日


「農福連携」という言葉を、聞いたことはありますか?


農業(農)と福祉(福)をつなげる取り組みのことです。すでに各地で、障がいを持つ方や働きづらさを感じる人たちが、農作業を通じて働く機会を得ています。一見すると、「いい話」で終わりそうなテーマですが、私たちはこれを技術と仕組みの再設計として捉え直しています。


ITが、距離の壁をなくす


たとえば、農業をやってみたい。でも、近くに畑がない。あるいは、体力的に不安がある、

これまでだったら、それで終わっていたかもしれません。けれど、遠隔ロボットの監視や操作ができる仕組みがあれば、「場所に行けないから関われない」という制約は、少しずつゆるんできます。


さらに、地図・映像・作業ログなどの情報を一元的に統合して管理する仕組みがあれば、複数の立場が同じ作業を支えることも可能になります。


ただし、どれだけITが発展しても、物理的な障壁は消えません。農業には暑さがある。虫もいる。道具も使う。そこに、誰もが“快適に”関われるわけではありません。


K-robotが描く、農福連携ハイブリッドモデル


K-robotは「現場と遠隔の“ハイブリッドモデル”」を提案したいのです。

たとえば、就労支援を行っている事業所が、ロボットによる遠隔農作業の一部を担う。または、日常とはまったく違う場所・時間で、ロボット監視という軽作業にスポット的に関わってみる。現場で汗をかく人、遠くから見守る人、記録をまとめる人、

そんな多様な関わり方が、いまなら設計できるかもしれません。


働き方の多様性は、私たち自身を豊かにする


「体力がないと農業できない」「重いものを持てないとダメ」「長時間、屋外にいられないから無理」

そんな“あきらめの前提”を、技術と仕組みでゆるめていく。

それは、誰かのためだけでなく、私たち自身を救う構造かもしれません。年齢を重ねても、障がいがあっても、育児や介護の合間でも、「ちょっと関わることができる」——そんな仕事が増えれば、社会はもっと柔らかく、そして強くなれると私たちは信じています。


挑戦は、始まったばかり


もちろん、すべてがうまくいくとは限りません。制度やオペレーション、人との連携。調整すべき点はたくさんあります。

でも、技術はもうある。仕組みさえ整えば、機能する。だからこそ、今、K-robotはこの構想に踏み出します。


とはいえ、私たちはこのテーマを「善意」だけで語ろうとは思っていません。道徳的になりすぎるのは、K-robotのスタンスではないからです。


僕らの根底には、エンジニアとしての視点があります。人に寄り添う前に、まず構造を整える。仕組みをちゃんと動かす。だから、社会的弱者への寄り添いや福祉を前面に押し出すことは、あえてしていません。


私たちがやりたいのは、テクノロジー×社会課題という摩擦のなかに、推進力を生み出すこと。そこで仕組みが“機能する瞬間”にこそ、ゾクっとするようなおもしろさがあると感じています。

それは、K-robotの社是であり、ある意味で僕らの存在意義でもあるのです。


 
 
 

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